百貨店に設置されている部門のひとつ「外商」。
お得意様である「外商顧客」に対してサービスをおこなう部門ですが、人によっては「外商による営業はしつこい」というイメージがあるかもしれません。
本来の外商とは、外商顧客に気持ちよく買い物をしてもらうために動く存在です。
もし外商顧客が「しつこい」と不満に思ってしまっているなら、それは外商としての役割をあやまっているものであり、百貨店に文句を言うべきでしょう。
・外商の営業活動とは?
・外商の営業がしつこいって本当?
・外商の役割や仕事内容
・外商を利用するメリットとデメリット
この記事では、外商の営業がしつこいと言われる理由や、外商の本来の仕事内容、外商を利用するメリットとデメリットを詳しく解説します。
外商の営業はしつこいって本当?外商の仕事とは?
外商の営業はしつこい、と噂されるからには、理由があるのでしょう。
しかし結論としては、外商顧客に「しつこい」と思われるような外商員による営業は、正解とは言えません。
外商員の営業スタイルはあくまで、「外商顧客を満たすもの」でなくてはいけないからです。
- 外商顧客の希望を満たしている
- 外商顧客の潜在ニーズを引き出している
- 外商顧客の満足度を高めている
外商員は本来、上記のような営業サービスができる存在でなくてはいけない、ということです。
外商顧客が商品を購入することで、外商顧客の気持ちを満たすショッピングを提供できるかどうかが、外商員の腕のみせどころではないでしょうか。
一方で、外商顧客が下記のように感じていたら、それは外商員として正しい営業ではありません。
- いらないものまで売りつけられていると感じる
- 外商員の成績のために買わされていると感じる
- 自分の好みと異なるものばかり紹介されていると感じる
外商員も仕事で営業をしているので、外商員側に「成績」や「ノルマ」のような数字があるのも納得です。
しかし、外商顧客にとって不快な営業をしているのであれば、それは悪質な「売りつけ行為」であり、サービスとは言えません。
「外商員」と「店舗スタッフ」の違いとは?
「外商員」と「店舗スタッフ」が違うのは、下記のような点です。
- 店舗スタッフ:個々の商品に関する特別知識を持っている
- 外商員:顧客に関する特別知識を持っている
外商顧客が店頭に足を運んだ際には、外商顧客の好みやニーズを把握している「外商員」とは別に、商品知識の豊富な「店舗スタッフ」が一緒に商品をみることも多いです。
本来の外商員は、「商品を売るよりも、人を売る」ことを目指しているべきもの。
外商顧客の好みやニーズ、人柄をしっかり把握できていれば、外商顧客にとって不快な「しつこい営業」にはならないはずだからです。
店舗スタッフにも支店のノルマなど、目指している数字があるのも事実でしょう。
しかし、そんな「売りつけたい」という意思は、お客様にもヒシヒシと伝わってきてしまうものです。
本来の外商員は、「外商顧客に商品を売りつける」存在ではなく、「外商顧客の満足度を一番に考えている」存在であるべきでしょう。
外商の役割・仕事内容とは?
基本的な外商の仕事は、「外営業」です。
外商顧客の自宅を訪問し商品を紹介するというのは、外商顧客としてとても有名な業務のひとつではないでしょうか。
確かに「自宅にまで来て営業される」と言えば、響きは悪いかもしれません。
でも、実際には自宅訪問での営業で高い満足度を得ている外商顧客もいるからこそ、外営業のスタイルは継続されているのです。
・高いだけの商品を売りつける
・不要な絵画ばかりを持ち寄る
・外商顧客なのだからと高級時計を持ち込まれる
・買わないと帰らないという圧力をかけてくる
・高いものよりも必要に応じたものを選んでいる
・伝えていない潜在的なニーズも把握している
・選りすぐりの商品だけを持ってくる
・好みを把握して商品が厳選できる
たとえば、外商員の売上だけを考えるなら「高級な方」を選ぶべきであるというタイミングがあるでしょう。
しかし良い外商員であれば、状況に応じて値段をおさえた小さなものも「ぎょうぎょうしくなりすぎないほうが良いので」と、勧めてくれるものです。
外商員を利用するメリット
外商員は「しつこい」というイメージもあるかもしれませんが、良い外商担当者にあたれば生活の豊かさがアップします。
たとえば、下記のようなメリットがあげられます。
- 希望の商品を代わりに見つけてくれる
- 新たな角度からの提案をしてくれる
- 購入品した商品を自宅に届けてくれる
それぞれのポイントについて、詳しく解説します。
外商員を利用するメリット①:希望の商品を代わりに見つけてくれる
希望の商品があったとき、外商員に代わりに見つけてもらうことができます。
百貨店で店頭をさまよって歩くのは、時間と体力が必要です。
一方で「この色のこんなものが欲しい」と伝えておけば、複数のブランドから希望に合う商品だけを見繕って、自宅やVIPルームで紹介してもらうことができます。
外商員を利用するメリット②:新たな角度からの提案をしてくれる
外商員に自分の好みや感覚を把握してもらうことで、新たな角度で提案をしてもらえることがあります。
たとえば、指定していた希望のものとは少し違うけれど、結果的にニーズを果たすことができる商品を提供してもらえる、ということも。
外商員としてさまざまな商品を見てきた担当者だからこそ、広い視野を持って提案してもらえることがあるということです。
外商員を利用するメリット③:購入した商品を自宅に届けてくれる
購入した商品は、外商員に頼めば自宅まで持ってきてもらうことができます。
自分で運ぶにはかさばってしまって面倒、というときや、タイミングとしてもう少し後に持ってきてもらいたい、というときにうまく活用できると◎。
外商員を利用するデメリット
外商員を利用することには、デメリットがともなうこともあります。
具体的には、たとえば下記があげられるでしょう。
- 付き合いでの買い物が増える
- 生活の様子が把握されてしまう
それぞれ詳しく解説します。
外商員を利用するデメリット①:付き合いでの買い物が増える
外商員を利用することで、百貨店からのサービスをしっかりと享受することになります。
つまり、百貨店にお世話になっているからには、付き合いで買い物をしたほうが良いと感じるときがあるということです。
もちろんマストではありませんが、外商員を頻繁に利用しているからには、百貨店の希望を叶えるつもりで買い物をしておいたほうが気持ちが良いかもしれません。
外商員を利用するデメリット②:生活の様子が把握されてしまう
外商顧客のニーズや希望を知る上で、ライフプランを共有する必要があるということも。
つまり、生活の様子が把握されてしまうことがあるということです。
どんな仕事をしているのか、家族構成はどうなのか、いつどんなイベントを迎えるのかなど、どうしても秘密にしていたい場合には外商員との付き合いは避けたほうが良いでしょう。
【まとめ】外商の営業は外商顧客のためであるべき!
外商の営業は、外商顧客を満足させるためにあるものです。
外商顧客を不快にさせているのであれば、それは外商としてすべき営業ができていないということ。
万が一、担当外商員の対応が悪く、気分を悪くしているのであれば、百貨店側に相談しましょう。
百貨店としては、大切なお得意様を失うことは避けたいと考えているものです。
外商顧客側は、百貨店を選べる立場です。
どうしても外商員の対応に不満があれば改善希望を伝え、それでもダメなら解約をしてしまえば良い話。
百貨店との付き合い方はご自身の尺度で考えて、上手に活用してみてください。