「外商」は、百貨店にとってなくてはならない存在です。
百貨店の売り上げの6割以上が「外商」と呼ばれる顧客によって支えられていると言われており、高級ブランドが存在できるのは外商顧客のおかげなのだとか。
実は、一般人がたまに入店してやっと1点購入する高額商品は、高級ブランドにとってはお小遣い程度。
高級ブランド側としては一般人による突発的な購入に期待はしておらず、外商顧客によるまとめ買いにより成立しているものなのです。
そんな外商顧客とは、一体どのような存在なのでしょうか?
・外商顧客とは?
・百貨店の外商顧客になるメリット
・百貨店の外商顧客になるデメリット
この記事では、百貨店にとって外商顧客がどのような存在なのか、また外商顧客になることのメリットやデメリットを、詳しく解説します。
外商顧客とは?百貨店の売り上げを支える外商顧客の人物像
外商顧客とは、百貨店にとってなくてはならない「お得意様」です。
具体的には、年間に100万円〜数億円単位で百貨店に並ぶ商品を購入する人たちが、外商顧客と呼ばれています。
百貨店には日頃からたくさんの一般客が足を運びますが、実は一般客による売り上げは百貨店にとってほんの一部。
外商顧客による売り上げは百貨店の6割を占めると言われており、多くの一般客が集まって購入する金額よりも、一部の外商顧客が購入する金額の方が大きいことがわかります。
外商顧客になるためには、百貨店が用意する厳しい審査に通過し、「お得意様カード」を入手しなくてはいけません。
百貨店は、そんな大切なお得意様である外商顧客に対し、手厚い特別サービスを提供しています。
百貨店の外商顧客になるメリット
百貨店の外商顧客には、誰でもなれるわけではありません。
では、もし外商顧客になれるのであれば、なるべきなのでしょうか?
百貨店をよく利用する人にとって、外商顧客になるメリットは大きいです。
たとえば、下記のようなメリットがあります。
- 商品に割引がきく
- 百貨店の駐車場が無料で利用できる
- 招待制の販売会でレア商品が買える
- 家まで外商員が来てくれる
- VIPルームで試着や商品選びができる
それぞれのメリットの魅力について、詳しく解説します。
外商顧客のメリット①:商品に割引がきく
百貨店の外商顧客になると、商品に割引がきくようになります。
たとえば100万円の購入あたり10%の割引が対象になることもあり、1度の購入で10万円もお得にショッピングが楽しめます。
一概に外商顧客と言っても、年間に利用する額によって待遇が異なるのが一般的です。
とはいえ、外商顧客ならではのお得なサービスを用意していることが多いので、百貨店で買い物をする人ほどお得に利用できます。
外商顧客のメリット②:百貨店の駐車場が無料で利用できる
外商顧客になると、百貨店の駐車場が無料で利用できることが多いです。
百貨店があるエリアの駐車場や百貨店付属の駐車場は、駐車料金が高い傾向があります。
外商顧客であれば百貨店の駐車場が無料で利用できるのは、とても便利です。
外商顧客のメリット③:招待制の販売会でレア商品が買える
外商顧客だけを対象とした、完全招待制の販売会が開催されます。
販売会では、まだ店頭に並んでいない新作が優先的に購入できるだけでなく、市場ではなかなか出回らないレア商品を入手することが可能です。
また、外商顧客からのオーダーメイドだけを特注で承るブランドもあるので、一般客では知ることもできないような世界観を楽しむことができます。
外商顧客のメリット④:家まで外商員が来てくれる
外商顧客の受けられる特別感あふれるサービスといえば、担当の外商員が家まで商品を特別に持ってきてくれることではないでしょうか。
希望する商品を持ってきてくれるのはもちろん、新作の中から外商顧客の好みにあいそうなものがあると、セレクトして家まで足を運んでもらえます。
オケージョンに合わせて「こんなものが必要」と伝えれば、好みをしっかり理解した外商員が、理想の商品だけを見繕ってくれることも。
人への手土産や祝い品を、自分だけでは気づけないような視点から選び出してくれるような、まさにプロフェッショナルな外商員が担当してくれます。
外商顧客のメリット⑤:VIPルームで試着や商品選びができる
外商顧客だけが招かれるVIPルームで試着をしたり、商品を選ぶことができます。
VIPルームでは無料でドリンクのサービスがあるなど、くつろぎながら商品をじっくりと吟味できるのが◎。
他のお客様の目を気にすることなく、担当の外商員や商品知識の豊富な店員が、つきっきりで対応してくれます。
百貨店の外商顧客になるデメリット
一方で、百貨店の外商顧客になるときにはデメリットも考慮する必要があります。
たとえば、下記のようなデメリットがあげられます。
- 年会費がかかる
- ノルマ意識ができてしまう
とはいえ、外商顧客になる人はそれなりにお金の余裕がある人のはずなので、あまり気にするようなことではないかもしれません。
反対に上記が気になるようなら、外商顧客になる必要はないでしょう。
百貨店の外商顧客になるデメリットについて、詳しく解説します。
外商顧客のデメリット①:年会費がかかる
外商顧客になるためには、百貨店の「お得意様カード」と呼ばれるクレジットカードを作成する必要があります。
このクレジットカードの年会費は基本的に、11,000円であることが多いです。
クレジットカードとしては安くない年会費なので、他のクレジットカードと比較して利用しやすいものを選ぶのが良いでしょう。
とはいえ、そもそも外商顧客とは年間で100万円以上の買い物を百貨店で楽しむ人だけがなれるものなので、そうでない人は入会すらできません。
年間で100万円以上の買い物をするのであれば、年会費を払っても存分にもとが取れる仕組みになっているため、損はないです。
反対に、百貨店で年間100万円以上の買い物をしているのであれば、年会費を払ってでも外商顧客になっておかないと、大幅に損していると言えます。
外商顧客のデメリット②:ノルマ意識ができてしまう
外商顧客という地位を継続するための条件は、公になっていないことが多いです。
つまり年間の購入ノルマは存在しませんが、そもそもステータスのためだけに無理して外商顧客になるのであれば、あまり得なことはありません。
実質的なノルマであれば、入会にあたり必要条件となる年間100万円以上の購入が、ボーダーラインであると言えるでしょう。
【まとめ】外商顧客は百貨店にとって大切なお得意様
外商顧客は、百貨店にとってなくてはならない存在です。
百貨店は外商顧客をとても大切にするため、いかなるサービスもまさにVIP対応で楽しませてくれます。
百貨店での買い物を日頃から楽しんでいる人であれば、百貨店の外商顧客になることで大きなメリットが生まれるでしょう。
一方で百貨店での買い物は滅多にしないという人なら、外商顧客になっても出費が増えるだけで、デメリットばかりを感じてしまうはずです。
年間100万円以上の買い物を百貨店で楽しんでいるというかたは、外商顧客になることを検討してみると良いでしょう。
オンラインから外商顧客になるための申し込みができる百貨店も多いので、興味があれば気軽に挑戦してみてください。