百貨店の外商顧客になると、外商優待として割引やポイント還元が受けられます。
たとえば10%の割引が受けられる場合、100万円の買い物をすると10万円の割引が適用されるため、かなりお得です。
そうと分かれば、外商割引で購入したものを転売すれば、儲かるのではないかと考える人もいるでしょう。
原理としてはたしかに利益は出るように思えますが、思い描くほど収益は上がるものなのでしょうか。
・外商割引を活用して転売することは可能?
・外商顧客が転売できる理由とすべきではない理由
・外商顧客としての正しいサービス利用法
結論としては、外商顧客として一般顧客よりも安く購入することは可能なので、転売が成り立つのは事実です。
しかし、外商優待を活用して転売で大きな収益を稼ぐ、というのはなかなか現実的ではありません。
この記事では、外商顧客として転売ヤーになることは現実的に可能なのか、具体的にご紹介していきます。
外商割引を活用して転売できる?原理としては可能です
外商割引を活用して転売することは、可能でしょうか?
結論としては可能ではありますが、すべきではないのが事実でしょう。
そもそもモラル違反であり、本当に購入したいひとの手に渡りにくくなることを理解したうえで、転売をすべきでないのが前提です。
近年、ハイブランドの一部が手に入りにくい品薄状態になっており、その原因と言うと大袈裟かもしれませんが、1つの理由として転売ヤーがいるのは無視できない現実でしょう。
たとえば今となっては現品を見つけることすら難しいロレックスの人気モデルも、1990年代までは地方にある小さな時計扱い店で購入できたことがありました。
しかし現在では、百貨店の外商顧客になっても入手は困難であり、世界中で品薄状態が続いています。
商品を手に入れるためには転売ヤーからの購入が必要になってしまった、と話す地方の時計店もあり、多くが店を閉めてしまったのも事実です。
このような状況から、転売ヤーが嫌われてしまう理由を察するのは難しくないでしょう。
外商顧客になってまで転売する人が少ない理由
外商顧客になってまで転売する人は、現実的に少ないです。
そもそも外商顧客になる人は社会的信用の高い常識的な人が多く、モラルとしてNGであると理解できる人が多い、というのも理由のひとつではあるでしょう。
その他、より現実的な理由としては下記があげられます。
- レア商品は割引対象外
- 利益が小さい
- そもそも外商顧客になれない
それぞれの理由を具体的にご紹介していきます。
外商転売ヤーが少ない理由①:レア商品は割引対象外
外商顧客になると、多くのハイブランドが割引やポイント還元の対象になります。
お得に買い物をするとなると、このような外商優待を活用する必要があるでしょう。
しかし、一般的に入手が難しいレア商品は、多くの場合に優待の対象外です。
つまり、外商顧客だからといって、手に入りにくい商品が簡単に手に入るかというと難しいため、転売で大きな利益を出し続けるのは難しいでしょう。
参考として、人気時計ブランドであり品薄で有名な「ロレック」の入手難易度は、下記の記事でご紹介しました。
参考記事:外商ならロレックスを定価で購入できる?正規店で購入する方法を解説
外商転売ヤーが少ない理由②:利益が小さい
レア商品を高額転売できないとなれば、一般顧客でも正規店で購入できる商品を割安で販売することで、利益を出す手段が主流になるでしょう。
多くの百貨店では、最大10%前後の割引あるいはポイント還元を適用しています。
ポイント還元の場合、ためたポイントは買い物で消費しなければならないため、直接的に収益として現金が増えるわけではありません。
そこで、「割引」還元ができる百貨店で外商顧客になる、という選択肢に絞られます。
業界で割引還元が最大値なのは「大丸松坂屋」の最大11%であり、その場合たとえば100万円の商品を購入すれば11万円お得になる計算です。
定価よりも安く、購入額よりも高く転売することにより出る収益は、大きな金額を売り捌けなければ期待できません。
外商転売ヤーが少ない理由③:そもそも外商顧客になれない
そもそも外商顧客になるためには、百貨店が発行する外商カードを取得しなければなりません。
外商カードの取得は簡単なものではなく、社会的信用が高い人だけが審査を通過できます。
社会的信用とは、たとえば下記が基準になることが多いです。
- 年収
- 勤続年数
- 不動産の所有
- 同居家族の存在
- 自宅と勤務先への電話確認
上記のような条件は百貨店ごとに異なるため一概に言い切れませんが、滞納があるなど社会的信用を損なう状態では基本的には審査は通過できません。
そもそも外商顧客になれるような人は、転売をしなくても収入が安定していることが多いはずである、と考えるのが自然でしょう。
参考記事:外商カードを取得する条件とは?百貨店のお得意様「外商顧客」になる方法
外商顧客として最大限にサービスを利用する方法
外商顧客として買い物をする場合、外商優待として直接的に割引やポイント還元をしてもらえる以外にも楽しみ方はさまざまです。
たとえば、外商顧客であればレア商品を優先的に購入させてもらえることが珍しくありません。
一般顧客であればなかなか巡り会えないレア商品も、外商顧客であれば特別に購入機会が回ってくるというのは、外商サービスの魅力の本質といっても過言ではないでしょう。
外商顧客になってレア商品を高値で転売したい!できないワケとは?
外商顧客としての特権を利用して手に入れたレア商品を高額にして転売する、という人がいないわけではないでしょう。
しかし、そのような人がいつまでも優遇され購入できるかというと、難しいはずです。
レア商品が本当に欲しくて探しているという人であれば、購入後は喜んで使うはずです。
一方で転売にまわすような人であれば、その人が自分で使う目的で購入したわけでないという情報が、店舗の中でも共有されるでしょう。
転売ヤーがレア商品を永遠と購入し続けられる、というケースは考えにくいので、たとえ転売に成功しても収入を安定させることは難しいのではないでしょうか。
【まとめ】外商割引を活用して転売はできるが労力に見合わない
本来の価格より安く購入し、市場価格よりも安く売れば、その差額ぶんが儲かるという原理としては転売が成功する可能性はあるでしょう。
しかし転売ヤーからの買い物は、本物であるかどうかを見極めるのが難しくリスクになるうえに、ブティックからの手厚いサービスという価値も受けられません。
どこででも手に入るような商品であれば、少し安いからと言ってわざわざ転売ヤーから購入する人は少ないはずです。
一方で、外商顧客でも手に入れるのが難しいようなレア商品は、たしかに市場需要は高いかもしれませんが、ブランド側も売る相手を選んでおり、購入は難しいもの。
転売をすること自体は可能ですが、その労力に見合うのかというと、もっと他に効率よく稼ぐ方法はあるのではないでしょうか。
このサイトでは、外商カードや外商サービスについて詳しくまとめてご紹介しています。
転売目的でなくとも、これから外商顧客になって外商サービスを活用したいのであれば、外商カードの概要から確認してみてはいかがでしょうか。
参考記事:百貨店のハイステータスカード「外商クレジットカード」とは?基礎から解説